Mariko Sekiya 関屋茉梨子(2015年受講 東京音楽大学卒)

 

ミュンヘンでの約1週間、忘れられない時となりました。今回私は2回目の参加でした。

私は周りの参加者と少し違って音大卒業後、一般就職を選び、6年間のブランクを経て音楽の道に戻った身。色々な経験をし、改めて、『上手い演奏』ではなく『人に伝わる演奏』をしたいと、追求したい、と思いました。そしてこのセミナーが掲げる『上手に弾くのではなく、心に響く音楽を奏でられる人』は、まさに私が求めるものでした。その秘密を知ることができました。

1回目に参加した時、シェーファー先生のレッスンによって私は音楽への考え方、捉え方が変わり…先生のレッスンに惚れ込みました。今回もシェーファー先生のレッスンを4回受講しました。

シェーファー先生のレッスンの何が素晴らしいかというと、表面的なことではなく"音楽"を教えて下さるのです。作品をどう捉えるか、作品をどうまとめるのか、それを表現する為にとにかく大きい大きいフレーズで考えることを学びます。また、とにかく熱い!笑。シェーファー先生の音楽への熱をすぐ傍で感じ、気づくとその音楽の波に乗っかっている自分がいます。知らぬ間に、“感じ”を掴んでいるのです。他に無いと思います、この様なレッスン。

レッスンの受講に加え、非常に勉強になったのが他の参加者の聴講です。今回出来る限り聴講をしました。とにかくこのセミナー参加者のレベルは高いのですが、客観的にレッスンを聴くことで見えることは計り知れないです。

自分の課題と同じ様な課題を持つ他の受講生もいたりして『なるほど、こういう音になってしまうのか』と、反面教師的に学ぶこともありました。シェーファー先生は全身で表現しながらレッスンをするので、先生の言葉を耳で聴きながら演奏するより、先生を出来るだけ見ながらの方が"先生の伝えたいことがわかる"、というのも前回セミナー参加をして聴講した時に気づいたことです。

今回、今の自分自身のタイミングで、ドイツの空気を感じながら、一回り近く歳の離れた若手演奏家のみんなに揉まれて、素晴らしいレッスンを受けることができたことが本当に幸せでした。

同時に、日本でも必ずこの経験を活かしていきたいと思いました。

 

小長さん、関わった皆様に感謝します!ありがとうございました。