幸重明日香(2015年受講当時 東京藝術大学4年)

 

まだまだ寒く、街には雪が積もっている2月中旬のミュンヘンで、ミュンヘン国際音楽セミナーに初めて参加させていただきました。セミナー期間中は、1週間とは思えない程の充実した日々でした。

 

今回、シェーファー先生に4回のレッスンをしていただきました。私は幅広い時代の作品を複数曲持って行っていたこともあり、個々の作品に合った、様々な表現方法や理解の仕方等を教えていただきました。私の演奏において足りないもの、演奏を聴いてくださる方々にどう伝えるか、何よりも原点である音楽の楽しみ等、音楽の本質を改めて自分自身で振り返って見つめ直すことができる機会を与えてくださり、その正解を導いてくださいました。先生の教えてくださる素晴らしい音楽は、理解・表現する上での意図や理由を明晰に伝えてくださって、私の中に驚くほどすんなりと吸収させてくださいます。隣で先生が弾いてくださる演奏に、音楽・作品の新たな魅力を発見しながら、幾度となく聞き入っていました。シェーファー先生から溢れ出る、緻密であり、尚且つ壮大でロマンティックな音楽を教えていただくレッスンが、私にとって本当に幸せな時間であり感謝しております。

 

そして、修了コンサート以外にサロンコンサートにも出演させていただくことができました。コンサートを開いてくださったHappさんがとても優しく接してくださり、温かいコンサートにしてくださいました。後日の修了コンサートでお会いしたときも、親切に話しかけに来てくださって本当に心が暖まりました。サロンコンサートではお客さまとの距離が近く、日本では感じたことのない、お客さまのまた違った音楽への味わい方等をより強く肌で感じる大切な経験となりました。優しさと温かさで包まれるような拍手、演奏後に感想を話しかけてくださるお言葉が本当にありがたく、胸に染みたことは決して忘れません。

 

充実していた1週間であった更なる経験は、ホームステイをさせていただいたことです。私を快く迎え入れてくださったKnappさんは、とても優しく社交的なご婦人でした。毎朝ご婦人の笑顔で1日が始まり、楽しく話し、コンサートに誘ってくださったり、一緒にイングリッシュガーデンへ散歩に連れて行ってくださったり、心から安らげる環境で過ごすことができるようにしてくださったことを本当に感謝しております。ご婦人のご友人とも一緒にカフェでお話ししたことも、楽しかった思い出です。ホームステイをさせていただいたことで、常にドイツ語を聞いて話す生活をすることでき、このような生活をすることが語学の一番の上達法なのだと身をもって学ばせていただきました。

 

ホームステイやサロンコンサート、修了コンサートで接させていただいたミュンヘンの皆さまが本当に親切なお人柄な方ばかりで、この素敵な街で音楽をさらに勉強したいという意思がより一層増え、気持ちが固くなりました。このセミナーに関わっておられる皆さまが心より温かくしてくださるのも、主宰の小長久美様の人望あるお人柄の故だと感じております。様々な方々が小長様をお見かけすると、本当に楽しそうにお話しされているのを見て、私たち受講生がこうして安心して充実した日々を送れるのは、全て小長様のお陰であると実感しておりました。

 

改めまして、このような大切な経験ができましたのも、主宰の小長久美様がセミナーを運営してくださり、それぞれの受講生を心強くサポートしてくださったからだと、心より感謝申し上げます。そして、受講生を支えてくださった、受講生友の会の皆さま、先輩方へ深く感謝申し上げます。

 

 

今回学んだ大切なことを糧に、今まで以上に発想を広げ、音楽と真摯に向き合って日々励んでいこうと思います。また小長様をはじめ、皆さまにお会いできるときを楽しみにしております。本当にありがとうございました。