Eriko Gomita 五味田恵理子(2014年受講当時 東京芸術大学大学院修了)

 

310日からの一週間、ミュンヘン国際春期音楽セミナーに参加させて頂きました。参加させて頂くのは二回目になりますが、前回よりも更に実りの多い一週間となりました。

今回はお二人の先生に三回ずつのレッスンを受けましたが、同じ曲で受講しても、全く違う視点から切り込んでくださるので、自分でも様々なアプローチをすることが可能になり、曲に対する理解をより深めることができました。

シェーファー先生はとても情熱的に、ぐいぐいと高みに引き上げて下さるレッスンです。演奏していて何となく迷いのある、定まらない部分が有ると、見事100%お見通しで、非常に分かり易いアドバイスにより違和感、距離感を縮めて下さいました。また生徒が積極的に質問する姿勢を評価して下さり、何をお聞きしても、聞いたこと以上のものを与えてくださいました。お陰でレッスンを終える頃にはいつも明確なヴィジョンが出来上がりました。

ベッケラー先生は、いつでも私の弾き方を尊重してくださり、さらによい方向に進めるよう優しく手を差し伸べてくださいました。否定することが全くなく、悪い点、足りない点を指摘するのではなく、いつも“提案があるのだけれど”と仰られるところに、先生の柔和なお人柄と音楽に対する真摯なお姿が表れていると思います。生徒の心に寄り添いながら、慈しみ深いご指導を頂けるので、受講した曲がどんどん好きになっていき、毎回楽しみにレッスンに通いました。

また今回は修了演奏会以外に、サロンコンサートなどの機会をたくさん頂いたことも、大きな収穫となりました。ドイツの聴衆の方々の、演奏後の温かすぎる拍手や、感想を伝えてくださる様々なお言葉、その全てが今後さらに精進していく糧となったことは間違いありません。

そしてもう一つの大きな経験は、ホームステイをさせて頂いたことです。

ミュンヘン在住のご夫妻の元に二週間滞在させて頂きましたが、我が家のように過ごせるようにと様々なお心遣いを頂き、お二人とも娘のように可愛がってくださいました。音楽が大好きなご夫妻で、家で練習するのをとても嬉しそうに聴いて下さったのがありがたく、異国で頑張る励みになりました。

演奏会に連れて行ってくださったり、美味しいお食事をご馳走して頂きながら様々なお話をしたりと、かけがえのない時間をプレゼントしてくださいました。

このように素晴らしい時を過ごせたのも、全て小長様はじめ、受講生友の会の皆様のご厚意、ご尽力によるものです。受講生が最良の時を過ごせるようにと、想像できないくらいのエネルギー、時間を費やして下さっているはずです。いくら感謝してもし足りないほどです。音楽を通して、皆様の優しさや温かさに包まれた素晴らしい日々でした。

 

再びミュンヘンを訪れる日が来るのを楽しみに、頑張ろうと思います。