Mayu Takeuchi

 

竹内麻優(2018年受講当時 桐朋学園大学音楽学部4年在学中

 

この度初めてミュンヘン国際音楽セミナーに参加させていただきました。

 

まず、受講生友の会の皆さま、ミュンヘン市民の皆さま、受講生のみなさん、関わってくださる全ての方々の厚く温かいサポートのお陰で、短期間にも関わらずとても貴重な経験をしたことを感じております。

 

 

 今回はレッスン、最終日の演奏会、その2つが私の中での柱でしたが、それに加えて先生とお話をさせていただく時間、ホストファミリーとの関わり、受講生の方々、友の会の方々との関わり…どれもがひとつひとつ大切なものです。また、ミュンヘンという活気溢れる街で学ぶことは大変刺激的であり、しかし市民の皆さまの温かさにほっと心の潤う、不思議な時間でもありました。

 

レッスンは、Michael Schäfer先生とThomas Böckheler先生、それぞれ2回ずつ受講いたしました。限られた時間の中でのレッスンですがその内容はとても印象的で、自身で考え探していくべきことのヒントを沢山くださいました。

 

Schäfer先生のレッスンでは、楽譜に書かれたこだわりにはっとさせられ、これまで気付かなかったことに自分自身の読み方の浅さをひしひしと感じました。しかしそれを先生は喜びや面白さを持って伝えてくださるため、謎解きのようで、もっと自分で探し、それを表現する方法を探りたいと思いました。そのような各所に散った断片が繋がれていくような感覚と、細かな視点と俯瞰した見方の双方を常に持たれたレッスンは大変興味深かったです。また、楽曲のキャラクターの捉え方にも大きな発見があり、そのキャラクターによってもあらゆるアプローチを感じます。

 

Böckheler先生のレッスンは、耳を外に向け、その空間に広がる響きと身体の使い方の意識が特にとても勉強になっております。初めに聴講をしたときから印象的でしたが、自然且つ特徴的なアプローチはとても面白く、確実に音楽に変化が生まれました。そして、自由な響きのある音とともに、先生の前にいると音楽の流れと音に広く心を傾けたくなる、音楽に寄り添っていく、不思議な感覚を持ちます。暗譜についてのお話なども含め、大変知識の深そうな先生のお話くださったあらゆること、そして音のこと、しっかり時間を掛けて吸収していきたいです。

 

加えて、先生方のお人柄にも衝撃を受けております。ふとしたときにも現れる真摯なお人柄に、私も人としてそうなりたいと思いました。

 

演奏会では、建物中の椅子を集めホールの扉の外にまで席がつくられ、お客様の期待に、運営されている方々とこれまでに携わられた方々の積み上げられたものを感じました。空間に広がる音楽を全身で聴いていらっしゃるような様子に私も影響を受けながら、そのような環境の中で演奏させていただいたことが本当に有難いです。いつかまたミュンヘンで、成長した演奏ができるように精進したいです。

 

そして今回、Prof.Dr.Gerbitzご夫妻のご自宅にホームステイをさせていただきました。初めてひとりでホームステイをすることに緊張もありましたが、ご夫妻のお心遣いの中、自由にセミナーに集中できる環境をつくってくださいました。加えて演奏会や終演後の家族のような温かさ、帰国日のご自宅でのミニコンサート、お話させていただいたことは、深く心に刻まれています。またお会いできるように、そしてその時にはドイツ語でお話をしたいという目標も増えました。

 

このような大切にしていきたいご縁の数々と貴重な機会をつくってくださり、勉強をさせてくださり、申し込み時からずっとあらゆる面でサポートをしてくださった小長さん、朝島さん、関わられている皆様のお陰で深い時間を過ごすことができました。心より感謝いたしております。

 

どうもありがとうございました。