Soyono Eguro

江黒颯乃(2018年受講当時 桐朋学園大学)

 

学生最後の夏をどう過ごすか悩んでいたところ、以前参加した友人からミュンヘン国際音楽セミナーをすすめられ、参加を決意しました。参加を後押ししてくれた友人、そして小長さんのおかげで、日本では決してできない経験と素敵な出会いを得られた一週間になりました。

 

私はベッケラー先生とシェーファー先生のレッスンをそれぞれ2回ずつ受講しました。

 

ベッケラー先生はとても穏やかで論理的にお話をされる方で、手首の使い方や姿勢などを細かく注意してくださいました。ベッケラー先生の完全に脱力された腕、手首と力強い指先から奏でられる音に、レッスン中何度も聴き入ってしまいました。

シェーファー先生のレッスンでは、楽譜を細部まで注意深く読むことの大切さを教えていただきました。パワフルなシェーファー先生が力強く導く音楽には説得力があり、私も曲を自分で構築する力をもっとつけなければいけないと感じました。

 

レッスンはすべてミュンヘン音大のレッスン室で行われましたが、スタインウェイのグランドピアノが2台置かれている大きな部屋で、とても良い環境だったと思います。大学内で練習もさせていただき、実際に通っている学生と同じ様に勉強するという貴重な体験ができました。

 

そして、このセミナーに参加するのであれば是非ホームステイをお願いした方がいいとすすめられ、今回Nase婦人のお宅にお世話になりました。Nase婦人とは朝夕必ず一緒に食事をとり、天気の良い日にはテラスに椅子を出し、練習に息詰まるとお茶を入れてお喋りを楽しみました。レッスンのない日にはニンフェンブルク城でのコンサートに連れて行っていただくなど、楽しい思い出をたくさん作っていただきました。ミュンヘンに暮らす方の生活を言葉どおり肌で感じられたことは、このセミナーでしか得られない素晴らしい経験だったと思います。

 

今回このような素晴らしい機会を与えてくださいました小長さん、ご自身もレッスンを受講しながら私たちのサポートをしてくださった朝島さんに心から感謝申し上げます。